運営者・翻訳・編集

津島史紀

原典から目を離さず、古典を「完訳」で読めるようにしています。

津島史紀(つしま しき)は、このサイトを運営し、全記事の執筆・翻訳・出典確認・修正対応を行う独立の翻訳者・編集者です。

古典の完訳を個人出版しながら、サイトでは短い原文と新規訳、その一節に限定した解説を公開しています。運営主体、編集責任、問い合わせ窓口を分けず、掲載内容への指摘は運営者本人が原典を確認して対応します。

訳業には、『信長公記』(織田信長の一代記)全巻、『万川集海』、『五輪書』の完訳のほか、戦国史・忍術・古流兵法に関する著作があります。原典と企画に応じて、日本語版・英語版を刊行しています。

このサイトが扱う原典

いま記事にしているのは、次の原典です。

  • 戦国——『信長公記』、『甲陽軍鑑』、『雑兵物語』、『大かうさまくんきのうち』ほか豊臣秀吉関連の資料
  • 忍術——『万川集海』、『正忍記』、『忍秘伝』、藤田西湖の忍術書
  • 剣術——『五輪書』、『兵法家伝書』
  • 兵法——武経七書(『六韜』、『三略』、『司馬法』、『孫子』、『呉子』、『尉繚子』、『李衛公問対』)

どれも完訳を刊行している原典です。全体を通して読んだうえで、一節ずつ記事にしています。用いた版と写本は出典の方針にまとめました。

このサイトの役割

書籍と記事では、読書のかたちが異なります。完訳は、作品全体の構造を最後までたどるための形式です。一方、記事では、わずか数行の前で立ち止まれます。用語を定義し、その一節が作品のどこに位置するかを示し、世に流布したイメージと実際に書かれている内容を照らし合わせ、証拠と解釈の境界を明示する——記事だからこそできることがあります。

そのため、当サイトの翻訳と解説はすべて新たに書き起こしています。著者のKDP版からの抜粋・再配置・言い換えではありません。各記事は出典の位置を特定できる形で示し、原文の引用は短くとどめます。

一節が記事になるまで

記事はどれも同じ順序で作っています。

  1. 原典を通して読み、記事にする一節を決める
  2. どの版・どの写本で読むかを決め、版本画像や翻刻で本文を確かめる
  3. その記事のために、新しく現代語訳を書く
  4. 原文、現代語訳、語句の注、解釈を、それぞれ別の場所に置く
  5. 通説と食い違う点があれば、どこがどう違うかを書く
  6. この一節からは言えないことを、最後にまとめる

四番目を守るために、記事の作りは少し窮屈になっています。訳と解説を混ぜたほうが読みやすいのは確かです。それでも、どこまでが本文に書いてあることで、どこからがこちらの読みなのか。その境目を残すほうを選びました。

「書かれていないこと」を書く

言葉だけで説明すると分かりにくいので、実際の記事を三つ挙げます。

水蜘蛛の図説には、外側の差し渡し、中央に抜く穴、輪の幅が書いてあります。履き方は書いてありません。だから記事も、寸法までで止めました。

長篠の場面に「三段撃ち」という語はありません。番号が付いているのは、攻めてくる武田方のほうです。射手を三列に分けたとも、前列が退いたとも書かれていません。

「人は城」の直前には「或人の云ふ」とあります。書き手は「信玄が言った」と断定していません。この四文字を落とすかどうかで、出典の話は変わります。

俗説を叩くために原典を使うのではありません。何がどこまで書いてあるのかを確かめて、そこで止まる。それだけです。

抜粋の量を管理する

引用は短くとどめます。とどめているだけでなく、記録しています。原典ごとに、これまで何字を引用したかを内部の管理表に書き足し、一つの原典について推定八パーセントに達した時点で、その原典からの新しい引用を止めます。

同じ一節を日本語と英語で扱うときも、抜粋量は増やしません。二本の記事で一つの引用として数えます。

英語版との関係

このサイトには英語版があります。ただし、日本語の記事を機械で英訳したものではありません。逆もありません。同じ一節を扱う姉妹記事として、それぞれの言語で書き起こしています。

原典は日本語です。日本語版では、原文の語順や掛かり方をそのまま扱えます。英語版では、日本語話者には説明の要らない語を補うことになります。同じ一節でも、書くべきことが違ってきます。

編集上の約束

歴史的な記述は、引用した出典、または作品・巻・章・節で位置を特定できる一節に結びつけます。たどれない逸話を事実として提示することはしません。よく知られた話が引用元の本文に見当たらない場合は、その旨をはっきり記します。

版によって巻立てや節の位置が違うときは、どれか一つを黙って選ぶことをしません。違いがあること自体を記事に書きます。

ここに記した翻訳歴を超える学位・所属・経歴上の主張は、いっさい行いません。

お問い合わせ

記事の内容について、誤りのご指摘や出典に関するお問い合わせを受け付けています。お問い合わせページからご連絡ください。原典の読みについてのご指摘は、確認のうえ記事に反映します。

『万川集海』完全現代語訳(Kindle)を見る

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